カスタム人工歯を用いた下顎総義歯

入れ歯

2019/12/15

カスタム人工歯を用いた下顎総義歯

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一般的に可徹式(取り外し式)義歯の人工歯には既製のものが用いられるが咬耗しやすく(すりへりやすく)対合する歯との緊密な咬合接触を得ることが難しい。本ケースでは患者の強い希望により可徹式(取り外し式)でもよく噛める義歯を完成するためカスタム人工歯(オーダーメイドのセラミックスによる人工歯)を用いることにより機能性・審美性を両立させた義歯となり患者様にも満足して頂く事ができた。

患者は82歳女性。主訴はよく噛める入れ歯を作って欲しい。

治療期間は3ヶ月でファイナルの義歯の作製前にプロビジョナルデンチャーを作製し適正な咬合高径の設定ならびに咀嚼・発語・嚥下に問題が無いかを確認後、ファイナルの義歯作製へと移行した。私見ではあるが有歯顎・無歯顎・インプラント問わず術者側で咬合高径を設定しなければならないケースにおける成功の鍵は咬合採得にあると考えている。バイトレジストレーションワックス(デラー社製)を用いアンガイド変法にて中心位咬合採得後、咬合高径を設定し、試適および微調整を行えばほとんどのケースにおいて無調整で補綴装置を装着できる事が可能となる。プロビジョナルデンチャーが問題無く機能することを確認すればプロビジョナルデンチャー床内面をフィットチェッカーまたはティッシュコンディショナーを用いて印象採得を行い、フェイスボートランスファー後、クロスマウントテクニックを用いてファイナルデンチャーの製作に取りかかる。一回の試適を経て完成に至った。治療費用は260万円(税別)でありセット時の調整、装着後の潰瘍による痛みなども無かった。